2024/05/14

ブログ:船便混載(LCL)、コンテナで輸入する時の準備と注意点


 混載(LCL)、コンテナを問わず、アメリカでの仕入れ・買い付けに大型や多くの物量がある場合、船での輸送を検討することがあります。


 航空便と異なり船便での通関は厳しい事が多く、きちんと事前準備をしておかないと税関での検査にかかった場合や補足・追加情報を求められた場合にすぐに対応できません。

 航空便と違い、船便では通常通関業者さんに依頼しますので、検査にかかる期間=費用となり、結果的に航空便よりも多くの費用がかかったという話を聞く事があります。

 

こうした状況に陥らないよう、船便での輸入前には主に下記の点に注意して準備をする必要があります。

・コマーシャルインボイスの準備

写真の撮影

レシートの保管

通関業者との密な連絡・打ち合わせ


今回は、これらの点について解説したいと思います。

■コマーシャルインボイスの準備

貨物の輸入に必須の書類ですが、この書類の記入方法によって通関にかかる期間が決まると言っても過言ではありません。
記入内容には、商品の名称、主な素材、個数、金額、合計、HSコード が求められます。
この情報が大雑把であったり、自分にしか分からないような書き方の場合には通関士さんから質問が来ます。


(悪い例:) T-Shirt  10 pcs x $0.1 / $1.0

(良い例:)White T-Shirts, cotton 100% 10 pcs x $10 / $100 / 610 910 020

悪い例では、素材の無表示、あり得ない金額、HSコードの不足の問題があります。

HSコード、表示方法は税関が発行する関税率表に基づいて表記することが望ましいです。


関税率表での表示


(参考)実行関税率表: https://www.customs.go.jp/tariff/index.htm

■写真の撮影

船便での輸入では、コマーシャルインボイスの内容と紐付けされた写真の提出が求められます。
物量が多いため大変な作業になりますが、これができていなかったために日本の通関時に写真の撮影を委託する事になり、作業料だけで数十万円かかった方もいらっしゃいます。

具体的には、コマーシャルインボイスの項目一つずつに番号を振り(下記画像の赤丸)、その番号に該当する写真を用意しておくと良いです。

(コマーシャルインボイスの例)







(コマーシャルインボイスと紐付けされた画像のカタログの例)


■レシートの保管

コマーシャルインボイスには、購入した金額をそのまま記載する必要があります。(価格を下げて記入し通関することは関税法違反となり、追徴課税の他に今後の輸入時の検査が厳しくなります。)

価格が正しいものであるかどうか、税関から購入時のレシートの提出を求められることがありますので、レシート、インボイスは必ずすべて保管もしくは記録しておく必要があります。

■通関業者との密な連絡・打ち合わせ

買い付け・仕入の際に輸入ができるものであるかどうか、どういう記入方法にしたら良いかなど事前に委託する通関業者さんと打ち合わせをしておくことをお勧めいたします。
例えば、問題無いと思っていた羊毛のセーターが実は輸入規制であったりなど、入港してから問題が分かると上述した通り、検査や確認などに時間もコストもかかることになりますので、できる限りクリアに情報をお伝えして打ち合わせしておくことをお勧めいたします。


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