2015/02/10
3DプリンターとプランB
先日近所のホームセンターに行った際に3Dプリンターのデモ展示がしてあるのを見つけました。
1000ドルほどの本体と素材になるフィラメントを使用すると、自分のデザイン通りのものが出来上がるのです。
このテクノロジー自体は以前からあり、日本のお客様の製品研究所でみたことがありましたので、さほど珍しいというものではありませんでした。
デモで展示されているものも、キーホルダーサイズのサッカーボールとか、2色のフィラメントで作られたミニカーといったおもちゃのようなものばかりで、”こんなものが作れます!”と堂々と書かれているのをみて、
”1000ドル出してこんなおもちゃ作るなら、最初からオモチャ買った方が良いじゃないか”
と浅く考えてしまったのですが、よくよく考えると、このテクノロジーがこれだけ身近になったということは、近い将来弊社のビジネスに大変な影響が出るかもしれないと愕然としました。

話は少し飛びますが、弊社は今年で10周年を迎えるスモールビジネスです。
当初数名でオフィス1部屋から始めた会社も、ある程度の大きさになり多くのお客様にご利用いただけるまでになってきました。
10年という期間は長いようで、毎日ひたむきに仕事をしていたらあっというまに経ってしまったような時間でもありました。
このビジネスを始める前、2000年頃にある人から、”いくらITなどのテクノロジーが発展して様々なビジネスがなくなっても、モノを動かす流通業は無くなることが無い”といわれ、確かに便利になりこそすれモノを運ぶ仕事は無くならないだろうなと、どこか自分の中でも安心感を持っていたところがありました。
ところが、先の3Dプリンターにはこの安心感を根底から覆す衝撃がありました。
将来的に3Dプリンターの性能があがり、製作コストは下がり、各家庭に1台置かれるようになったとしたら、
商品の注文はモノ自体の取り寄せではなく、そのデザインデータになり、
注文したものは目の前で作られていくことになります。
例えば、レゴのフィギュアはデータを購入してダウンロードしプリンターにかければ、買いに行ったり、配達を待つこと無くその場で数分後に手に入れることができます。
送料と製品代金を合わせた金額よりも安くできるのであれば、注文して届くのを待つ人というのは確実に減るでしょう。
これまで実際にピストルのパーツを3Dプリンターで作ってプラモデルのように組み合わせ実弾を撃てるようにしたり、エンジンを載せて走る車まで作ってしまった人もいるくらいですので、レゴ程度のシンプルなものについてはコスト面が解決できればさほど先の話ではなくなるかもしれません。
もちろん全てのモノがプリンターで作られるわけではありませんが、弊社の様にモノを動かしてなんぼの物流の一端を生業としているビジネスにとっては、”モノが動かなくても届く世の中”になってしまうというのは非常に大きなインパクトがあるわけです。
弊社をご利用いただいているお客様のうち、ざっと8割強の方は個人事業主やスモールビジネスを持たれているお客様ですので、
私と同様に経営者として常に起こりうる様々なビジネスのリスクヘッジをどうするか腐心されていることと思います。
この話の怖さもある程度共感いただくことができるのではないでしょうか。
今回の3Dプリンターについては、まだ少し先の話になるとは思いますが、それを見越してプランBの準備を進めたり、逆にチャンスと捉え新しいことを始めるきっかけとするなどし、世の中に安心しきって良いビジネスは無いのだと実感させられる体験でした。
みなさんのビジネスは10年後どうなっていると思いますか?
G
弊社サイト:www.usstreamline.com
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿