これについてお客様から様々なご質問を多くいただいております。
この中でも"船便か航空便かどちらがいいでしょうか?"という質問が特に多くあります。
船便と航空便の比較要素には、ダメージ率や輸送中の温度変化など考慮すべき点は多くありますが、中でも一般的に考慮すべき大きな2点があります。
・輸送コスト
・納期/時間
今回はこれらの点に絞って考えてみました。
■航空貨物便の概要
ビジネスをする上で最も重要になるのが輸送コストです。
航空便の輸送コストは、仕向先が遠隔地や運送会社の配達区域外でない限り、
○航空貨物便送料
国際送料+燃油費+運送保険
の合計で計算できます。
通関費用も含まれているため非常にシンプルで計算がしやすく、ほとんどの地域で均一のレートになります。
また、発送後の納期については、通関時に問題が無い限り、
通常3−5営業日内での配達となります。
■船便コンテナの概要
船便の場合、輸送コストの計算はもう少し複雑になります。
依頼する会社により見積の内容が異なりますが、
大まかに下記のように細分化された内容の合計になります。
○船便コンテナ送料
・ドレージ費用(コンテナ陸送費用)x2(米国と日本での陸送費)
・送料
・燃油費
・輸出書類作成料
・通関費用
・通関検査費用(発生時)
・通関検査立ち会い費用(発生時)
・運送保険
・日本国内送料
特に通関時に発生する可能性がある検査については不確定要素となりますため、
事前にコストに組み込むことができません。
また、納期は発送後1−2ヶ月程度となります。
■両者の数字での比較
それでは、実際にはどれくらい両者に差があるのでしょうか?
今回は、航空貨物便=エアコンテナ96、船便コンテナ=20 ft FCL(フルコンテナ)として比較してみます。
○サイズ
エアコンテナ= 最大 500 cu.ft.
船便コンテナ = 最大1171 cu.ft.
数字だけで比較すると、断然20 ft. FCL の方が大きいように考えられますが、
エアコンテナの場合は、貨物を梱包した後の荷姿が基準となっている実測値ですが、
船コンテナの場合はコンテナ自身の大きさですので、隅から隅まできっちりと貨物が入れられた場合の数字となります。
当然、びっちりと正方形の梱包を隙間無く積めないとここまでの容量は入りません。
経験上、現実的にはコンテナの上部や左右には隙間ができ、おおよそ1/4程度は空きができていると考えられます。
このため、船便コンテナに積める実際の貨物サイズ=880 cu.ft.程度ではないかと思われます。
○コスト
エアコンテナ = $4900(約10%の燃料費と仮定)
船便コンテナ= $4500-5000※
※船便の場合は、検査の有無またその内容、港から仕向先の距離などコストの計算が状況により異なりますので上記は大凡の金額となります。
こう考えると
エアコンテナ = $4900/500 cu.ft.
船便コンテナ = $4500/880 cu.ft.
となりますので、船便コンテナの方が安いという計算になります。
■ビジネス面からの比較
では、ビジネスとしての面から考えてみた場合、どうでしょうか?
例えば、$30.000の商品を輸入し、結果$45.000で販売する商売をしているとします。
すべての商品は30日で完売することができ、ベンダーからのリードタイムは10日間とします。
エアコンテナは5日間、船コンテナは45日間で配達としておきます。
これを両者で輸入した場合の一年でのサイクルを計算すると下記のようになります。
1年間のスパンで考えると、
エアコンテナ:約8回転、収支$85800
船便コンテナは4回転、収支$62000
となり、年間での差額は$23800エアコンテナを利用した方が多くなります。
以上から、短期的には時間さえあれば船便コンテナの方が安いことがわかりますが、
エアコンテナ:約8回転、収支$85800
船便コンテナは4回転、収支$62000
となり、年間での差額は$23800エアコンテナを利用した方が多くなります。
以上から、短期的には時間さえあれば船便コンテナの方が安いことがわかりますが、
長期的かつリピートするビジネスを行う上では、キャッシュフローがよくなるエアコンテナの方が良い選択であるようです。
今回は状況を分かりやすいようかなり単純化してありますので、
ケースバイケースで結果は変わりますが、
ご自身のビジネスではどちらが良いでしょうか?
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